2018年8月22日水曜日

【読書 x 自己啓発】30代必読!!! 僕が「プロ経営者」になれた理由 変革のリーダーは情熱 x 戦略 / 樋口泰行


30代前半、半ば、後半各ステージで読んでもらいたい良書!




少し前に買った
元日本マイクロソフト会長、現パナソニックコネクティッドソリューションズ社 社長の
樋口泰行さんの「僕が「プロ経営者」になれた理由 変革のリーダーは情熱 x 戦略」
を読み直しました。


プロ経営者としてどういうことを考えているかが書かれていますが経営者向けだけではなく
個人として今後どういう考え方が必要か、所属する会社がどうあるべか
ということを考えるヒントが散りばめられています。


自分が直面している課題に関わる内容も一部あり、ぐさぐさくる箇所がかなり多くありました。
特に管理職になる前の30代前半から後半の人たち必読の書だと改めて感じました。



気になった部分を抜粋しましたがあまりに多かったので順不同で分類しています。

本書を通じて感じたのは樋口さんの経験してきた泥臭さ。マイクロソフトなど外資系を経験してきていることからもっとスマートな感じをイメージしていましたが全然そんなことないです。


戦略はインテレジェンスをもって策定、実行はとことん泥臭くやり切る。


それを具体的にどうやってきたかという内容になっています。



本書で気になったポイント


「個人」として気になったポイント

  • 一貫してあるのは興味を持ったテーマがあれば勉強して次なる目標を探し続けてきたこと
  • コンサルタントはあくまでも外からビジネスの中心にいる人にアドバイスするのが仕事であり、ビジネスそのものの渦中にいるわけではない
  • 30代後半になってくると一歩経営に近くなり、「どうやって人をマネジメントするか」や「どうやって他の部署を巻き込むか」「お客様対応をどうするか」、更には「上司は尊敬できるか」など関心と課題が「人」というものが介在し、広がりが出てくる
  • 日本のウエットな関係、情熱に基づく営業力とロジカルでタフネゴシエイトな文化の両方を持ち合わせる必要がある。
  • 外部とのいろいろなリレーションシップに長けていることと、内部のハイスピードで俊敏性の高いオペレーションとを両立できている状態を保ち続けなければならない
  • 日本の会社では、まだまだマーケットバリューを意識した経営になっていない
  • B to Bでは、取引先の担当者と丁々発止が必ずあるので、人と人が擦れ合う力は鍛えられていく。
  • 誰もがトップを目指す必要はないが1人1人がリーダーとしての資質を備え、組織文化として醸成しなければオーナス期に生き残っていけない
  • たとえ無駄話の連続のように思えても、そこからなにかしらが出てくる。そうしたものにこそバリューがあった。いろいろな人がいろいろな立場で、いろいろな意見をぶつけ合い、単調な考え方から抜け出さなければ勝てる知恵は生まれない。ダイバーシティの環境に積極的に身を置き、多様な状況で多様な化学反応を起こさなければ次なる価値は見つけ出せない。
  • 法人向けビジネスは人と人のつながり。「この人がいるから信用できるのだ」と言ってもらえる体制が必要。顔が見える組織。
  • 事業経験も知恵もなかったけれど、やり切る力だけはあった
  • ダイバーシティ:今ある状態を前提に考え、ダイバーシティという構造を組み込むと事業や経営でどの様な未来があるのかを想起できないのだ。ビジネス環境の変化に対して経営者がマクロ的でもミクロ的でも時代観や文明観を持っていない。


「リーダー」を考えるにあたって気になったポイント



  • 平時の日々のオペレーションを回すマネジメントではなく、コミュニケーションをベースにした変革のためのマネジメント
  • (ダイエー社長時)トップとしての意思を明確にして一人でも多くの従業員と共有してもらう愚直な行動しかなかった
  • マネジメントの根幹は従業員の生きがいをいかに創造するか
  • たくさんの部下を持つマネジャーはルーターのようなもの。帯域幅が重要。
  • 変革を引っ張っていくリーダーがいなければ、企業も、そして日本という国も生き残っていけない
  • 仕事の意味、戦略性、実行の重要性が腹に落ちていないと変革は進まない
  • 自分自身でTODOLISTをつくり、そこに書き記された仕事を部下に託した場合、託したらすぐにリストから消せるようなマネジメント力を身につけなければならない=仕事人としての拡張性
  • トップはメッセージを煮詰め、確信をもって発信し、結果を出すまでは絶対にぶれないようにする。メッセージを極限まで煮詰めて相手に伝える。論理的な整理は当然の作業だ。さらにメッセージの受け手が納得できるような言葉や表現を納得がいくまで探し続ける。そのうえで首尾一貫したメッセージを熱い思いで語り続ける。何度も何度も相手が理解してくれるまでぶれずに伝える。
  • 事実や論理だけでは人は動かない。語り手の情熱や信念に触れたときに共鳴のバイブレーションが起きれば、自らもまた動き出そうとする。
  • 現場の社員は自分たちの未来をリーダーに託しており、それだけリーダーの一挙手一投足を見続け、片言隻句まで耳を傾けている。
  • 「社員に目指すべき状態と、そのための具体的な仕事を用意し」「リーダーとしての素の姿を見せながら一緒に実現する」
  • 経営リーダーの行動では、仕事のどの部分に自分のエネルギーを集中投下するかの選択が戦略であり、プライオリティー。忙しくするだけは単なる逃避。
  • 軋轢をプラスのエネルギーに転換できるかがリーダーの腕の見せ所。
  • 時には折れそうになる状況でもぶれず、困難があっても最後までやり遂げる、人間くさい「情熱」こそが結果につながる。
  •  従前の枠で考える人たちが経営リーダーとして主導権を握っていればどうしても変わることはできない。やはり人が変わらなければ枠を超えて考えるのは難しい。


「会社・組織として:運営」面で気になったポイント



  • マイクロソフトの評価基準:カスタマーオブセッション(顧客第一主義=顧客に入り込む)、それを実現するには、部門間の協力・協業、組織相談的な協業マネジメントなどが大前提となる。
  • スーパーマンのような社員は今はいないとしても育てられるし、育てなければ会社は生き残っていけないし、本人も仕事を通じて豊かな人生を手にすることはできない。その意味では会社が抱えている責任は重い。
  • 若い人にとって魅力的な職場でなくてはならないし、若い人に対して民主的な職場にならなくてはならない
  • ビジョンとビジョンの実現するための5つのスローガン:「社員がいききと働くことができ、かつ、その能力をフルに発揮し、日本市場に根差した経営で、お客様に大きな付加価値を提供できる姿をめざす」。


「会社・組織として:変革」面で気になったポイント


  • すでにいったん成功を経験した会社をさらに変革していくために、組織文化として変革期のリーダーの素質が育てられ、共有され、更に醸成されていくことも大事
  • かつてのように営業一本で「頑張ればなんとかある」と、発破をかければ打開できる状況ではない。ビジネスモデルとしては集約化をベースに、業界構造も含めて全体を俯瞰しながら戦略を立てなければ生き残れない状態にある。
  • ある特定の生態系でずっと生きてくると、別の生態系が存在することするなかなか理解できない集団になってしまう。
  • オーナス期とは、トランスフォーメーション(事業の構造的改革)やターンアラウンド(事業再生)が繰り返し求めれる時代
  • 事業には戦略と実行がある、これまでは業態によって変革する際はどちらかを変換するだけで良かったケースがあったが今は両方を転換しなければならない。
  • M&Aにおける統合:合併に伴う旧社同士のいがみ合いが出るのは当然である。。。企業文化の違いも「それは当然のことである。だからこそ合併する意味があるし、統合のマネジメントもあるのだ」と胸を張って言えるほど。企業文化の違いや不安を解消するためには「どちらの会社の出身かの痕跡はすべてなくすのが即効的かつ最も重要な取り組み」である。合併や統合で生じるであろう混乱を当たり前と受け止め、それをあいまいにせず真っ向からマネジメントの課題として取り組む。ドライというよりリアル。「お互いの顔をたてて」とか「相和して」などという穏便さは初期の目的の実現を遅らせるものでしかない。
  • 結びつくことが破壊者を生む。従来の価値判断からすればむしろ機能や性能は低下しているのだが、異なる視点から見れば従来にはない価値を生み出せる可能性が高まっている。


「会社・組織として:戦略」面で気になったポイント



  • 戦略とは「実績数値を生み出せる素地の変革をどう評価してもらえるかが重要であり、数値に一喜一憂するものではない」
  • 「戦略」とは事業の在り方をどの様に考え、どの様な方向を目指すのかを示す=ビジョン
  • 「戦術」とは戦略をいかに実行するかの策=ビジョンの実行策
  • 自分たちの事業が置かれている状況について、「グローバルという地域的な広がりのなかではどのような可能性があるのか」「歴史的に見て事業の自足性はあるのか」「自らの強みが、強みであり続けあっれる条件は今なおあるのか」などといった、世界の状況に対する地頭自問できているか?これ(大局観、文明観)なしの戦略は説得力に乏しい。
  • 将来にわたる競争環境や社会環境などをきちんと想定した絵柄でないと制度の高い長期的意思決定はできない。
  • 戦略としてなにがハイレベルで何がローレベルかの差は、視点の高さそのものにある。経営者視点で見るか、現場レベルで見るか。
  • 大局観を育てながら戦略を練るためのポイント:まず一番に習慣にすべきは「会社は何のために存在しているのか」という根幹を常に考える訓練。
  • 戦略がどれほど理論的に素晴らしく、言葉として美しくても、その実行可能性が担保されていなければならない。今現在の会社にある人材、資金、技術などのリソースで実行できるものでなければ戦略は画に描いた餅になる。
  • ビジネスには順番があり、ある段階を飛ばして次の段階を始めても長期的な成果には結びつかない
  • 自前主義を捨てた「他力活用」戦略で、店舗の収益性を高めて、収益を基準にして改革を進める意義を訴える
  • 他力活用の最終目標は、CFSであればダイエー社内にノウハウを集積することであり、ジーユーであれば店舗全体の集客力アップだった。その方向性を明確にし、提携先と十分に共有し、ダイエーの従業員にも理解してもらった。そのうえでやり切る力に手を抜かなかった。
  • 美しい戦略作りは、自身の強さをどのように認識しているかと深く関わっている。自分がどれだけ強いか、弱いかによって、相手に対してオープンになれる度合いが決まっている。その象徴とも言える存在がマイクロソフト。自らの強さや弱さを冷静に検証できる”自省力”のようなもんがある。
  • 自分が強い専門分野とは、即ち自分が経験してきた分野であり、その強みを生かそうとすると必ず過去に固執してしまう。新しい発想が求められているのに、強さに固執してしまい逆に強さを発揮できないジレンマ。
  • 後を追う、と言えば前向きに思えるが、先行者が築いた障壁を壊して存在感を示していく作業は、疲労感がたまるもの。一体的な生態系ができあがっており、そこに粘りに粘り、インチバイインチで牙城を削り取っていくのは並大抵のことではない。


「会社・組織として:その他」で気になったポイント


  • 一度お客様の信頼を失えば、それを回復するには5年はかかる。噂がひろまれば、業界全体から敬遠されてしまう。全社のベクトルを合わせてお客様をお守りしないと、マイクロソフトといえども潰れる。お客様の要求やクレームから絶対に逃げてはならない。
  • 方針に反して「できない」と言ったり、自分のことしか考えられないのであれば、毅然と評価を下さなければならない。そういう基盤を創っておかないと、事業戦略を組織に乗せようとしても全社的な動きにはならない。


最後に



1年前に読んだときはこんなに突き刺さっていなかったと思います。
直面している課題、考えていること次第でこんなに受け取り方が変わるんだなとこの記事を纏めて感じています。


特に30代には響く内容となっていると思うので30代前半、半ば、後半に一度ずつ読んでみるとおもしろいかもしれないですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿

【旅行 x ポルトガル】冬休み、リスボンに旅行!

四泊五日でリスボンに。 冬のヨーロッパも悪くないです。冬のリスボン、お勧めです! 暖かい(10度以上)、飯うまい、そんなに混んでいない、綺麗。 行ったところ纏め サンペドロデアルカンタラ展望台 ホテル近くにあった展望台。夜には屋台が出て食事ができます。 ...