海外駐在を5年目に突入してしまいました。
あっという間の5年間でした。
会社、役職によって赴任期間は全然違ってきますが多くは3年前後。
4年を超えている人ももちろんいますが周りを見る限り少数派です。
この約5年間、幸いにも仕事でそれなりの成果を出すことができ会社(日本)からも評価されてきました。
同時にローカルメンバーとも信頼関係を拘置することができ、公私ともに時間を過ごすことができる仲間をつくることができました。
そんな僕が感じた
海外駐在に必要な能力、考え方
について自分なりに感じてきたことを書きます。
1. 能力編
1.1 - 英語(コミュニケーション能力)
身も蓋もない話ですが語学力とフル活用したコミュニケーション能力大事です。
もちろん赴任地域にもよるかもしれませんがやはり英語は外せないです。
私の赴任地はドイツなので本来ドイツ語ができるに越したことないですがドイツ語てすごい難しいです。
私も赴任当初ドイツ語も勉強しようと試みましたが文法からして理解しきれず。
男性名詞、女性名詞??言葉つなげるの??え、なんて発音するの??
とすぐにギブアップしてしまいましたが英語ができれば何とかなります。
英語はできないけどコミュニケーション能力は高いです!
という人もいますが友達にはなれるかもしれませんが意思疎通できなければ仕事は厳しいです。
英語ができる、できないで何が違うか?
僕が一番感じることは入ってくる情報量が全然違う。
正直日本人の英語コミュニケーション能力はまだまだ低いのが現状だと思います。
ローカルメンバーの話を聞くと
「話をしても通じない」、
「分かってもらうために本当に必要な情報だけに絞らないといけない」、
等言いたいことを全て言えていないケースもあります。
そういうローカルメンバーから本音ベースの話が聞くことができるようになります。
また「直接」お客様からの情報が入ってくること。
より1次情報に近い、もしくは1次情報に接することができるようになります。
そうすると今まで会社の中で誰も知らなかった情報に接することができるようになり、社内に対して説得力のある説明ができるようになります。
駐在を目指す、もしくは駐在が決定している方に先ずは英語力向上を先ずはお勧めします。
(それを実際使う度胸も重要)
1.2 - 優先順位と処理能力
ありとあらゆる仕事が日本から投げられてきます。
中には「え、これも?」と思うようなものも多々あります。
そういう仕事に対して私はNOと言うようにしていますがNOを言うにあたって「めんどくさいからNO」、「やりたくないからNO」など個人的感情でNOを言っていると思われると本人にとって損です。NOというからには説明責任と代替提案は必要です。
「今抱えている仕事、目指していることはxxxです。それを実現するために先ず優先順位としてxxxでxxxをやらなければいけないです。xxx(やれと言われていること)はxxxなので先ずはxxxを代わりにするという形でもいいですか?」
抽象的ですがこういう説明をするためも優先順位をはっきりと持っておく必要があります。
現場で感じていることをベースに優先順位を立てて、やること、やらないことをはっきりさせ、それを配信することも駐在の重要な役割だと考えます。
やる仕事、やらない仕事を区分けすることも重要ですがそもそも処理能力が低くてできない仕事が多くなりすぎるとそれはそれで問題です。
物理的に仕事が多すぎるのか、それとも処理能力が弱いのか判断は難しいですが外から見て処理能力が低いと思われるようなことがないようここの業務効率化、処理能力向上の努力は常に必要です。
2. 心構え編
能力はベースとして必要ですがその能力をどういう心構えで発揮していくかということは忘れてはいけないと肝に銘じています。これも人によってそれぞれだと思うので1意見として見て頂ければと思います。
2.1 - 現地人視点に立つ
基本ですができていない人が多いです。
日本からの出てきて、いつか日本に帰るから仕方がない部分ありますが日本の視線を意識してしまうことがあります。
気持ちは分かりますがこれはNGです。
ローカルメンバーは私たちが思っている以上に敏感にそれを感じ取っています。
ただ一方で現地人視点に立ちすぎても存在価値がないです。
いかに現地視点を持ちながら日本側状況を理解し、現地意向に沿った最適解を導き出せるか。
これが日本人駐在の価値です。
2.2 - 自分は脇役
駐在員というと今でも会社の中で特別なポジションであることは間違いないです。
数多くの社員がいる中で選ばれた少数精鋭の一人です。
それは間違いのない事実ですがそれを勘違いして「自分が主役」と考えてしまう人が中にはいます。
勘違いしてはだめです。
主役はあくまでもローカルメンバーです。
駐在は重要な責務を持っているかもしれませんが脇役であることを忘れてはいけないと思います。
脇役は如何に主役を光らせるか、主役が如何に仕事をしやすくなるかということを考え、行動する必要があります。
ただ脇役だからと言って卑屈になる必要はなく、縮こまっている必要はないです。主役の努力が足りない、パフォーマンスに満足いかないのであればそこはオープンに話ができる。
そういう脇役であるべきだと思います。
2.3 - 何を実現し、何を残すことができるか、そして何を託すか
駐在はいつか日本に帰ります。中には横移動で別の国に行く人もいるかもしれませんが今いる場所にずっといることはないです。
なので駐在中に
- 何を実現するかそして何を残すか
- そして何を託すか
ということを考える必要があります。
僕自身も5年間で前者の何を実現し、何を残すかは常々考えていました。
「せっかく駐在に出られたんだから振り返った時、また何年か後にまたローカルメンバーと話をしたときに『あの時は。。。』と話ができることを作りたい」
と思っていました。
私個人的には過去10年間右肩下がりだった販売減を販売成長に導く手助けができたこと。
そして新商品を立ち上げることができたこと。
これが実現できた、そして残すことができた、と言えるものがようやくできてきたとこです。
まだもう少しこちらで働くことができそうなのでもう少し残せるものを増やしたいと思っています。
後者の「何を託すか」という考えは今まで持ち合わせていませんでした。
帰任が現実的になってきた最近芽生えてきた考えです。
赴任してすぐにはこれは考える必要ないと思いますが自分がやってきたことが全て終わらせられるわけではないので何を託すか、ということはできるだけ具体的に考え、残るメンバーと事前に共有してくべきだと思います。
最後に
これまで書いたことを赴任当初から意識していたわけではないです。
日々の仕事の中で鍛えられてきた中、振り返ってみれば。。というものですがここに書いたことが僕が考える海外駐在に必要な能力、考え方です。
恐らく一生に一度になる駐在生活。
忙しいし、ストレスも多いですが本当にいい経験です。ここまで仕事のことについて考える生活は日本で仕事している時にはなかったです。
会社員人生にとって駐在生活は間違いなく色々な面で財産になると思います。
機会があればぜひ駐在にトライすることをおすすめします。
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